AIは、人の仕事を奪うのか。それとも、人らしい仕事を取り戻すのか。
AIは、効率化のためだけの技術ではありません。
人が本当に価値を発揮できる仕事へ戻るための、きっかけなのだと思います。
AIの話になると、「何ができるか」が先に語られます。
「議事録を書いてくれる。」
「提案書を作ってくれる。」
「メールを作ってくれる。」
もちろん、それらは便利です。
私自身も、毎日の仕事の中で生成AIを使っています。
ですが、AIを使えば使うほど感じることがあります。
本当に変わるのは、作業ではなく、人の時間の使い方なのではないか。
そう思うようになりました。
私たちは、考える仕事をしているはずでした。
経営者も。
営業も。
マーケティングも。
本来の仕事は、入力することでも、資料を整えることでもありません。
お客様の話を聞くこと。
市場を理解すること。
新しい価値を考えること。
仲間と議論すること。
未来を描くこと。
けれど現実には、その時間よりも、報告書やメール、資料づくりに追われる日が少なくありません。
AIは、その状況を少し変えてくれる可能性があります。
AIが得意なのは、「考える前」の仕事です。
情報を整理する。
文章を要約する。
比較する。
構成を考える。
たたき台を作る。
これらは、AIがとても得意です。
一方で、
「何を目指すのか。」
「どの選択が、その会社らしいのか。」
「本当に解決すべき課題は何か。」
こうした問いに、唯一の正解を示すことはできません。
そこには、会社の歴史があり、文化があり、人の想いがあります。
だからこそ、最後に必要なのは、人の判断です。
AIが増やしてくれるのは、「余白」です。
私は、花の仕事にも携わっています。
花をいけるとき、大切なのは、花をたくさん入れることではありません。
どこに余白を残すか。
その余白があるからこそ、一輪一輪が生きてきます。
仕事も同じではないでしょうか。
予定が隙間なく埋まっている状態では、新しい発想は生まれにくいものです。
AIが作ってくれるのは、単なる時間ではありません。
考える余白です。
その余白があるからこそ、
お客様の話をもう少し深く聞ける。
仲間と議論できる。
新しいアイデアを試してみたくなる。
私は、それこそがAIの一番大きな価値だと思っています。
だから、AIより先に対話があります。
「どのAIを使えばいいですか。」
そう聞かれることがあります。
でも、私はすぐには答えません。
代わりに、こう尋ねます。
「何を変えたいのですか。」
AIは目的ではありません。
変えたい未来があって、そのための手段としてAIがあります。
この順番が逆になると、高価なツールを導入しても、思うような成果にはつながりません。
だから私は、AIの話をする前に、対話を大切にしています。
最後に
AIが変えるのは、人の仕事ではありません。
人が、本当に向き合うべき仕事へ戻る時間です。
考えること。
対話すること。
相手を理解すること。
新しい価値を生み出すこと。
それは、どれだけ技術が進歩しても、人にしかできない仕事です。
FtheCotは、AIを導入する会社ではなく、
人が、人らしい仕事を取り戻す会社でありたい。
そう考えています。
編集後記
生成AIの進化は、とても速いものです。
新しいモデルや機能は、これからも次々と登場するでしょう。
けれど、どれほど技術が進歩しても、「何を目指すのか」という問いは、人が考え続ける必要があります。
このJournalでは、AIそのものではなく、AIとともに働くこれからの人や組織のあり方についても、FtheCotの視点から考え続けていきたいと思います。